暇のなかで退屈

國分功一郎さん。「人は暇を得たが、暇を何に使えばよいのか分からない。このままでは暇のなかで退屈してしまう。だから、与えられた楽しみ、準備・用意された快楽に身を委ね、安心を得る。なぜ、人は暇のなかで退屈してしまうのだろうか?こうして、暇のなかでいかに生きるべきか、退屈とどう向き合うべきかという問いがあらわれる。ウィリアム・モリスはこう答えた。革命が到来すれば、私たちは自由と暇を得る。そのときに大切なのは、その生活をどうやって飾るかだ、と。モリスは消費社会が提供するような贅沢とは違う贅沢について考えていたのである。モリスは実際にアーツ・アンド・クラフツ運動という活動を始める。人々が暇な時間の中で自分の生活を芸術的に飾ることができる社会、それこそがモリスの考える『ゆたかな社会』であった」退屈をどうする。