贅沢を取り戻す

國分功一郎さん。「二つ目の結論、それは、贅沢を取り戻すことである。贅沢とは浪費することであり、浪費するとは必要の限界を超えて物を受け取ることであり、浪費こそは豊かさの条件であった。現代社会ではその浪費が妨げられていた。人々は浪費家ではなく、消費者になることを強いられている。物を受け取るのではなくて、終わることのない観念消費のゲームを続けている。浪費は物を過剰に受け取ることだが、物の受け取りには限界があるから、それはどこかでストップする。そこに現れる状態が満足である。それに対して、消費は物ではなくて観念を対象としているから、いつまでも終わらない。終わらないし満足も得られないから、満足を求めてさらに消費が継続され、次第に過激化する。満足したいのに、満足を求めて消費すればするほど、満足が遠のく」贅沢。