為末大さん。「努力に見合うリターンだけで継続するには、モチベーションが保ちにくいんですね。それでも何か理解が深まっていく感じが、自分の体の中にあるんじゃないか。言い換えると、自分の知らない自分を知っていくという喜びが、それでもあるんじゃないか、ということです。僕はリターンを目指して努力する世界を『山頂型』と呼んでいます。この山頂の素晴らしい景色を見るためだけでは、山頂に登れるかどうかが怪しいという場面では登る意欲が湧かないんですよね。そうして行き詰ったときに、山登りをしていること自体が楽しい、山登りをするためにあえて山頂を設定する、と考え始めます。そんなふうに、山登りの道中をどうやって目的化するか。努力の即時報酬をどうやって自分で設定できるかということを強く意識しています」道中のニンジンを。
