呼吸と体が一体となる

若松英輔さん。「ティク・ナット・ハンに『沈黙』という著作がある。この本の次に一節に出会った時、『念』とは何かを問い続けてきた暗がりの道に強い光が射し込んできたように感じた。『呼吸と日常の活動における体の動きがどのように連動してきたかに焦点をあわすと、即ち、呼吸と体が一体となると、失念(フォアゲットフルネス)ではなく、正念(マインドフルネス)の生活が実現できるのです。』伝統的な宗教はどれも呼吸を重んじる。呼吸を深く感じ直すことは、そのまま聖なるものとの出会いに繋がると説く。キリスト教における聖霊を意味するギリシア語『プネウマ』は風、そして息という意味を合わせ持つ。だが、ここで問い直したいのは呼吸の問題ではない。ハンが説く『マインドフルネス』が『正念』と同義ということである」呼吸を感じ直す。