選択は競争を生む

内田由紀子さん。「個人が『家』や『会社』から自由になり、人生にとって大切な選択が個人のものとして保障される社会は、個人の権利意識を守り、未来に希望をもって人々が幸せを得るための選択をすることを推奨する近代社会のあり方として、いまやその是非を疑う余地はないとされている。一方で、選択の自由は競争を生み出す。手に入れたい職業や結婚したい相手が、自分を選択してくれるとは限らないからである。万人に自由選択権があるということは、自分は『選択される側』にもなるという厳しさも持ち合わせている。その結果として、格差の問題が生じており、選択の自由が幸福を押し上げる力は万能ではない。また、(結婚に関して)個人が選択を行うべきであるという価値観については、日本ではアメリカに比べるとそれほど強く浸透していない」ふむ。