同心円的な両立

小椋佳さん。「ただ、ものづくりとか創造性を発揮する場とかは持ち続けないと僕はだめだという思いがあって。当時の言葉で言うとアウトサイダー、要するに組織社会の外側にいる人たちの世界で僕は生きていけないと思ったときに、逆に組織内存在、典型的な企業内存在の人間の一人になり、なおかつ何かを創る人間として生き続けることで、アウトサイダーとは別の役割を担えるかもしれないと、そう思ったんです。(略)金融マンの一人、もっとも疎外される人間の一人になって、なおかつ表現者でいられたら、それが僕の生き方、役割かもしれないと。だから、銀行員と音楽活動の両立は、“二足のわらじ”とよく言われたけれど、自分の意識では、同心円的なんです。」同心円上に二足目の金のわらじが置かれているか否かは才能と運の関数か。