安全第一、営業第二

井本省吾さん「『安全第一』とどの企業も唱える。不二家も例外ではない。だが一方で『営業第一、売上高を伸ばせ』とも言う。背反しがちな二つの目標は二兎を追うことになって、どちらも中途半端になりがちだ。ヤマト運輸の元社長、故小倉昌男氏はこう悟って『安全第一、営業第二』の標語を掲げた。運輸会社として交通事故、労災事故を避けるためだ。『営業第二』とすることで優先順位が明確化し、社員は行動しやすくなる。実際、事故が減っただけではなく営業も活発化したと、同氏は著書『経営学』の中で次のような趣旨の指摘をしている。第二がなく、『何でも第一』では本当の第一がないのと同じだろう。何でも第一の社長は、『戦術レベル』の社長だ。何が第一、何が第二とはっきり指示できる社長は『戦略レベル』の社長だ−。」真の第一を示せるか。