欲望に対する速度

楠木建さん。「品の良さの最上の定義だと僕が思うのは『欲望に対する速度が遅い』です。もともとは立川談志さんが言ったことだそうです。この定義は欲望の存在を否定していません。品が良いというのは、お釈迦様のように世俗的な欲望から離脱してしまうことではない。普通に欲はある。ただそれをなりふり構わず取りにいかない。欲望が『ない』のではなく、あくまでも欲望に対する速度が『遅い』ということです。期待がすぐに実現するとは思っていない。自然な流れの中でうまくいくことも、いかないこともあるわけで、それをじたばたせずに待っている。慌てず騒がずなりふりを大切にする、これが上品な人だと思います。欲望に対して速い人は、欲望に向かって突進し、状況によってなりふりかまわずアプローチを変えます」上品なふるまいをするようになれるか。