量をこなすことが必要

鳥羽周作さん。「料理人は一人前になるまでに10年かかるといわれる。次に修行をしたフランス料理店では、その過酷さから、毎日仕事が終わると嘔吐した。店に着けば思い悩む余裕はなく、あっという間に一日が過ぎた。指を切ったら傷口を焼いて調理を続け、下痢になればおむつをはいて仕事をした。10年近くの修行期間中は一度も休まなかった。目の前のつらさから逃げることより、『もういいや』と諦めることのほうが怖かった。サッカーで失敗し料理でも挫折すれば、自分は人生で何も成せないと思った。そのうち、呼吸のように料理が自然にできるようになった。それがプロだと思った。意識せずにできるようになるには量をこなすことが必要で、質は後からついてくる。100回より1万回作った人の料理の方がおいしいに決まっている」呼吸のようにできたら。