退屈という病

國分功一郎さん。「パスカルははっきりと言っている。気晴らしには熱中することが必要だ。熱中し、自分の目指しているものを手を入れさえすれば自分は幸福になれると思い込んで、『自分をだます必要があるのである』。人間は部屋にじっとしていられず、必ず気晴らしを求める。つまり、退屈というのは人間が決して振り払う事のできない病である。だが、にもかかわらず、この避けがたい病は、ウサギ狩りとか賭け事のような熱中できるものがありさえすれば、簡単に避けられるのだ。ここに人間のみじめさの本質がある。人間はいとも簡単に自分をだますことができるのである。気晴らしを巡る考察の末に現れるパスカルの解決策とは何か?人間のみじめな運命に対するパスカルの解決策とは何か?拍子抜けするかもしれないが、それは神への信仰である」自分をだまして。