楽しみを求められる人

國分功一郎さん。「退屈しているとき、人は『楽しくない』と思っている。だから退屈の反対は楽しさだと思っている。しかし違うのだ。退屈している人間が求めて居るのは楽しいことではなくて、興奮できることなのである。ニーチェも言っていた通り、人は退屈に苦しむのだったら、むしろ、苦しさを与えてくれる何かを求める。彼は実は楽しいことなど求めていない。彼が求めているのは自分を興奮させてくれる事件である。これは言い換えれば、快楽や楽しさを求めることがいかに困難かということでもあるだろう。楽しいことを積極的に求めるというのは実は難しいことなのだ。しかも、人は退屈ゆえに興奮を求めてしまうのだから、こうも言えよう。幸福な人とは、楽しみ・快楽を既に得ている人ではなくて、楽しみ・快楽を求めることができる人である」楽しみ。