歳をとると目標が障害に

アーサー・ブルックスさん。「ドーパミンの放出は、短期的な快楽を生み出します。でも長続きする満足感はもたらしません。人生の後半にさしかかっている場合は特にそうです。若い頃は、比較的所有物が少なく、見栄を張りたい時期でもあるので、世俗的な見返りが増えれば一時的に満足感を得られます。しかし、歳と共に、その満足感は続かないことが分かってきて、虚しさを実感するようになります。周りに後れを取るようになり、恐怖心にかられます。だからこそユングは、『若者にとっては普通の目標が、歳をとると神経症をもたらしかねない障害になる』と述べたのです。アッラフマーンは贅を極めた絶対的統治者でした。70歳頃、自分の人生を統括してこう言っています。純粋に紛れもない幸福に恵まれた日々を丹念に数えてみた。計14日だった」ふむ。