足るを知るの精神

内田由紀子さん。「欧米において個の内面的望ましさの最大化によって幸福感が得られるとすれば、自らのなかに望ましい属性を見いだし、『誇り』をもってそれを表現していくことが必要となるであろう。これに対して東洋においては、幸福感とはそれを追求しないところから生じうる状態である、『欲をコントロールし、足るを知るの精神を求める』ことが必要であるという人生訓が存在する。ゆえに東洋における幸福感は、それを追求しようとする動機をそれほど伴わない。欧米などの『個』を重視する文化で、自尊心が主観的幸福感に与える影響がより強い。これに対し、日本の幸福感を特徴づける傾向としては、『関係性の重要性』があげられる。とくに人との結びつきは大切であり、親しい人からサポートを得られるかどうかが、特に幸福と関連する」文化による差。