医学ジャーナリストの田野井正雄さんは、「世界保健機関（ＷＨＯ）は、『単に病気が存在しないというだけでなく、全体的な、身体的・精神的・社会的に良好な状態』こそが健康だというが、８０年の人生で、そんな時代がどれくらいあるだろうか。（中略）そう考えてみると、常に健康な状態を保つのは、むしろ至難といった方がいい。体は丈夫、精神的にも満ち足りて、仕事に見合った報酬があり、社会的にも恵まれた地位にあると三拍子揃った状態にあることの方が珍しい。」と言っている。この定義と幸福の概念は必ずしも一致しないだろうが、条件としては和集合の部分が大きいような気がする。あるいは幸福の必要条件としての「健康」。さて、体は丈夫、精神的にも満ち足りて、仕事に見合った報酬があり、社会的にも恵まれた地位にあるという状態は過去にどれくらいあったろうか、これから先、ありそうだろうか。
