時間の加速度を殺す

スキーを習った時、ターンの度にスピードを殺してコントロールできるようにするのだと教わった。傾斜のきついところにいくと、万年ボーゲンの身としてはどうしても加速度が付いて直滑降から転倒となっていたのが、少しはターンの折りにエッジをかませてスピードをコントロールできるようになった。時間も一緒ではないかと思うのだ。ともすれば限りなく加速度が付いていきそうになるものを、休みなり、一日の中のある時間帯にエッジを利かせることで、時間を自分がコントロールできているような感覚になるような気がしている。いや、そんなにたいしたことではなく、桜の下で新しく見つけたパン屋のパリパリのクロワッサンを頬張ることだったり、枝雀の落語のビデオを見ることだったりするのだけれども、流れていくのではなく、メリハリを付けて。