浅田次郎さん。「私が考える『幸福の定義』を紹介させていただきます。私は、幸福とは、『さしあたっての苦労がないこと』だと思っております。うんと貧乏したり、いつも身の危険を感じながら生活してきた人間というのは、『さしあたってメシを食う金がある』とか『さしあたって命を取られる心配はない』というだけで、とても大きな幸福感を感じるものなのです。今の日本では、実は、ほとんどの人がとりあえず幸福なのです。にもかかわらず『俺は不幸だ』と思ってしまうのは、今ある以上のものを求め、それが実現されないからだと思います。幸福に関するキーワードは『知足』、すなわち『足るを知る』ということであります。まず、今の自分の能力、持っているものを知る。そして、その自分にできることを考え、ひとつひとつ実現させていく」幸福ですか?