自分の周りの確固たる空間

吉本ばななさん。「そうやって生きていると、何か良い空間ができるんですよ、自分の周りに。誰にも侵すことができない空間が。『自分が自分にしかわからない喜びを自分に与えた』という時間が積み重なると、自分の周りに確固たる空間みたいなものができて、そこには人が入ってこなくなります。『あの人には何か大事にしているものがあって、そこには入れないけれど、あの人に会うと気分がいいな』という状況が訪れる。そうすると人間関係も自ずと変わってくるはずです。自分自身が豊かな空間を持っているから、豊かな空間を持っている人と出会えるようになる。人間関係って、『そういえばそこにいたんだ。久しぶりに会いたいね』ぐらいがちょうどいい距離じゃないですか。それこそ家族なんて、しゃべらなくても、いるだけでいいわけですよね」空間。