窮すれば鈍する/鈍すれば貧する

nakatomimoka2012-02-02

三品和広さん。「暴走と化した戦略は、基本的に『後ろ向き』で、窮余の策という色彩をまとっているのである。攻めの一手ではなく、守りの一手が暴走と化す図式は、この本の構想段階では予期しておらず、意外性に満ちている。『窮する』の意味は、外的な要因に基づく危機に遭遇したということである。次の『鈍する』は、危機に対処する打ち手が平凡なことを指している。同じ状況におかれたら誰でも最初に考えるはずの手が選ばれるのは、衆議の為せる業としか考えられない。平凡な攻めの一手を先手で打つ機会を逃してしまうと、やがて危機が顕在化し、山本七平命名した『空気』に打ち克つことが難しくなる。かくしてワンマン経営者などいない企業でも戦略の暴走が起こり、最終段の『貧する』に至るわけである」戦略暴走が起こらぬように。