堀公俊さん。「自己開示をさせるには、それにふさわしい場（空間・環境）があります。恋人に『結婚してくれ！』と告白するのに、駅の待合室や会社の会議室でする人はいません。罪の告白、すなわち懺悔もそうです。キリスト教徒の懺悔は、教会という大きな宗教装置のなかで行われます。ヨーロッパの教会を訪れると、荘厳で薄暗い建物の片隅に、『懺悔室』と呼ばれる小さなコーナーがあります。ポイントは非日常性です。普段とは少し違った雰囲気のところのほうが、自分に向き合いやすく、素直に語りやすくなります。自己開示を促進させるには、場所だけでなく部屋選びも大切です。一言でいえば、開放的すぎる空間を避け、少し閉鎖的な空間を選ぶほうがホンネを出しやすい。適度な距離にある壁で囲まれていたほうが安心するのです」場所選びの大切さ。
