遊びは無意味さが

為末大さん。「僕は、遊びが持つ本質的なことは無意味さじゃないかと思うんです。遊んでいること自体が意味になると、遊びが壊れてしまいます。スポーツというのは、どの選手も最初は意味なく遊びから始めますが、徐々に意味を持ちすぎて行き詰まることがよくあります。一番わかりやすいのは、遊びたいときに自由に遊んでいる子どもに、『一週間に5回、この時間に来て2時間遊びなさい』と決めてしまうと、だんだん遊びが壊れていく。自発的なものが決められたノルマになって、義務になっていくと、遊び感というのは失われていく。スポーツには遊び的要素が強くあるものだと思います。4年に1回開かれる試合で勝つことが義務づけられたり周囲の期待と要求があったりする中で、どうやってその遊び感や無邪気感を守っていくか。大きな戦いです」無邪気感。