2002-01-01から1年間の記事一覧

二時間の別世界

中国の歴史家司馬遷は、一日のうち二時間だけ別世界に住み、その日その日の煩悩を絶つことができれば、それは精神と肉体の牢獄に閉じこめられている人たちから羨望される特権を得たことになると言ったそうだ。最近別世界に行けたのは、佐藤賢一氏の「王妃の…

週に一度は百貨店

アサヒビールの村井さんは、住友銀行時代、はじめて支店長になったとき、ある先輩(後に頭取となった浅井孝二氏)からこういわれたという。①本をよく読め、②映画をよく見よ、③週に一回は百貨店に行け、④若い人たちの音楽を聴け。なかなかいいアドバイスです…

書友を持つ

堤清二さんはこう言っていたという。「ありがたいことに、私は同業だけでなく、各界にいろんな友人がいます。読書についても同様でありまして、私にはね、書友ともいうべき友人がたくさんいます」なるほど。そういえば「最近おもしろい本読んだ?」と聞く相…

社外価値

ある人は一定期間ごとに履歴書を書くことを勧めている。社内でどれだけ認められているかではなく、社外の人に客観的な判断で価値を持つような仕事をしてきたかどうかを確認するための作業だという。これは単に資格ということではなく、どのようなプロジェク…

男のおしゃれ

「無難なだけのスーツとゴルフウェアと寝間着で一生を終わるのは、なにか悲しい。」ファッション・ディレクターの原由美子さんの言葉である。「さりげないおしゃれができて、仕事ができる男に」と続くのだが、男性諸氏はいかがですか。さりげなく、というと…

幸福の三原則

「幸せというのは、単に自分の欲望が充足されることではないもんですな。まず、自分のなすべき勤めに対して、つねに全力をあげて、それと取り組むこと、第二に、つねに積極的に物事を工夫してそれを見事に仕上げること、そして、人に対して親切にし、人のた…

はやくお家に

松下電器の元社長山下氏は、社長になる以前から「定時退社の山下」という異名があったぐらいで、その日の仕事はその日のうちに解決し、必ず定時退社していたことで有名であったという。帰ろうとすれば帰れるはずなのに、定時以降一定の時間は残るというのが…

教祖と起業家

ホンダの副社長をやっていて本田宗一郎と一緒にやめた藤沢武夫がこんなことを言っていたという。「おまえは屁理屈をつけるのがうまい。それが、まことしやかであるし、何か知らぬが相手を惹きつけるものがある。こうやって二人でやっているけれど、会社がい…

語学の夏 

海外に出張すると、その国の言葉を勉強すべきであったと後悔する。台湾しかり、ドイツしかり。これからは英語のほかにも、と気負っていた時期もあったが、フランス語も5級どまり。酒造会社に勤める高校時代の友人はフランス語を勉強して、金沢の営業所から…

すべて美しいものを

入社したころ、どれほど仕事が忙しくなろうとも、例えば絵画を見る時間や、芸術を楽しむ時間と費用は惜しむまい、と思っていた。月に一度は、美術館に行ったりコンサートに行ったりしようと思っていた。しかしながら、美術館も、コンサートやオペラなどの芸…

情と報

小川明さんによると、「報」とはその気になれば、誰でも、どこからでも、何時でも入手できる公開された情報のこと、「情」とはどちらかといえばフェース・トゥ・フェース・コミュニケーションから得るニュアンスや裏情報など、人が介在することではじめて発…

夏休みの読書  

夏休みの一日ゆっくり読書にいそしみたい人向けに個人的なおすすめを。①「センセイの鞄」川上弘美。②「マシアス・ギリの失脚」池澤夏樹。③英語をで読むなら「THE FIRM」ジョン・グリシャム。ああ、残りのページ数をいとおしみながら、ゆっくりとゆっ…

空白の15年

『人によっては32〜33歳で課長や部長以上に腕が立つようになる。これから役員になるまでの十数年間はこうした腕の立つ人にとっては空白の期間になってしまう。そういう意味ではサラリーマンが「この会社に入ってよかった」と実感できるのは、常務以上の役付…

生きがいとやりがい

『働く人が幸せになるためには、仕事に生きがい、やりがいがなくてはならない。生きがいというのは、自分のやっている仕事が社会に貢献している、人々に役立っているという実感である。一方、やりがいというのは充実感だ。やりがいに必要なのは適度の複雑さ…

任せて使う

『大切なことは、「任せて使う」ということでしょう。「使用」ではなく、「任用」です。さほど重要でないことは、よりよいやり方を考えついても、信頼して下にまかせるということです。』住友生命の新井さんの相談役時代の言葉であるが、あなたは部下の仕事…

できない理由

「『できない』といってしまうと、人間の脳味噌はそれを正当化するため、できない理由を一生懸命探すように働き出す。言い訳のうまい人っていますよね。できない理由をいくら並べても、何の役にも立たないんです。そこを何とかやるのがブレークスルーなんで…

しきり直し

小説家・宮本輝さんの言葉。「人の一日の中には何十回というしきり直しがありますね。例えばほっと一息ついたり、さあ始めよう、という時、そして特に小説を書いている合間に、何度となくそういうものがほしくなります。その道具として、コーヒーは最高のも…

暴れん坊将軍の座右の銘

徳川吉宗は、①苦は楽の種、楽は苦の種と知るべし。②主と親は無理なことを言う者と思え、下人は考えが足りぬ者と知るべし。③朝寝すべからず、話の長座すべからず。④小なることも分別せよ、大事とて驚くべからず。というのを寝所の壁に貼り付けでいたという。…

経営者の手腕

「私の考えでは、経営者の手腕は、その人がいかに大勢の人間を組織し、そこからいかに個々人の最高の能力を引き出し、それを調和のとれたひとつの力に結集し得るかで計られるべきであると思う。これこそ経営というものだ。」盛田昭夫さんの言葉である。将に…

権限委譲

「君は、なにもかも一人でやりたがる。権限委譲と言うことを知らない。悪く思うな、君は、これまでに俺が見た最高の男だ。優に二人力だろう。だが、その力量をもってしても、たかが二人なのだ。ところが君には部下が百人もいる。そのうち一万人に増えるかも…

貴族社会

貴族社会とは、どんな話でも楽しく会話を持った能力を持った人たちの集まりで、そのためにはどんなテーマが出てきても参加できる教養が必要なのだという。ワインを飲み、おいしい食事をとりながら楽しい会話をすることを欧州の人々は受け継いでいる。いかに…

夏休みの長さ

先週末から学校などでは夏休みに入った。フランスでは1936年に有給休暇法が施行されて、そのときには2週間の休暇だったのに、1956年には3週間になり、1969年以降には4週間の有給休暇が義務づけられた。当時の長銀が一ヶ月休暇制度といってうらやましく思…

消極的な日々の癒し

最近流行のビールからすると半額の酎ハイ。寝る前の日本酒。スポーツニュースとビールのセット。たまに気持ちが大きくなると近くのディスカウントショップにあるフランスワイン。いかんいかん。すべてアルコールではないか。飲んだら寝てしまうものではない…

この人のためなら 

大学の同級生に会ったところ、今のボスのためなら死んでもいい、というくらいの上司と仕事をしているという。滅私奉公の時代ではないにせよ、そう言わしめるだけの「人間的魅力」を持った人と仕事ができているというのはある種幸せなことなのであろう。自分…

指し盛り

将棋の谷川九段が1000勝を達成したというニュースがあったが、棋士の指し盛りはいつだろうという話題がある。思考力、集中力、記憶力等総合的にみて40代というのが定説らしい。スポーツなら例外はあってもやはり20代だろう。「天才」の世界は別にし…

快適さの時代

かつて猪口邦子さんは「大別すると、19世紀はテリトリアル(領土)ゲームの時代、20世紀はウエルス(富)ゲームの時代、そして21世紀はアメニティ(快適さ)ゲームの時代だ」と言った。確かに産業集積を考えたときに世界の仕事をする環境を見てみると…

仕事の目的

ファナックの稲葉名誉会長は、活力を維持するために大事なことは、と聞かれて「何のために私はこの仕事をやっているのか、その目的をはっきりさせることです。何だか知らんけどやらされているというのでは活性化できません」と答えている。皆さんの仕事は、…

改革のための8つのステップ

ソニーの出井さんの「ONとOFF」から。①危機意識の確立、②強力なガイドチームの形成、③ビジョンの創造、④ビジョンの伝達、⑤ビジョンに向かって行動するよう全社員を奨励、⑥短期的成果の計画と実行、⑦更なる改革の推進、⑧新しいアプローチの制度化。という8つ…

WHAT・IF2

軽い話題続き。「もしこうなったら」という時間を使ったシチュエーションもので、本でいえば北村薫さんの「ターン」(映画にもなった)、「スキップ」、「リセット」の「時と人」三部作、ケン・グリムウッド作で新潮文庫にある「リプレイ」などを続けて読ん…

WHAT・IF1 

OFFの軽い話題で。人生にもしあのときこうしていれば、こうなっていれば、というのはないのだけれど、そのWhat・ifシチュエーションをうまく使った映画を三本。ニコラス・ケイジ主演の「天使のくれた時間」、ちょっとシニカルな味付けもあるイギリス映画「ス…