面授が伝えるいきいきとした心

nakatomimoka2011-10-16

五木寛之さん。「言葉には、人間の肉声から伝わる言葉と、文字を通じて伝わる言葉と、二つあると思います。古い表現で、『面授』という言葉があります。要するに人間と人間が向きあい、お互いに息づかいの聞こえるような距離でもって何かを学び、なにかを伝え、そしてなにかが伝えられる。こういうことを『面授』といいます。つまり、ひとつの思想とか学問とか信仰とか、それこそ芸能とか、さまざまなものは、人間がそれこそ手を出せばとどくぐらいの距離で向き合って、肉声で伝えられてはじめて伝わるものだ、という考え方がずっとあるのです。面授では、言葉の内容と同時に、その言葉を発する人間の表情とか肉声、あるいは息づかい、間のとりかた、そういうこと全部を通じて、なにかが人間に伝わってくるものなのではないでしょうか」確かに。