池谷裕二さん。「基底核は計算ミスをしない。箸を持つのに毎回失敗しないですみますね。正確無比なのです。こうした高度な記憶を操るのが基底核。だから基底核の作動は、無意識かつ自動的かつ正確だと言えるのです。二つ目の特徴は、1回やっただけでは覚えない。つまり、繰り返しの訓練によってようやく身につくということです。自転車も、いきなり乗れちゃうことってないですよね。ピアノの練習もそう。何度もやっているうちにだんだんできるようになるんです。その代わり、繰り返しさえすれば、自動的に基底核は習得してくれる、というわけです。あるプロ将棋士とお話する機会がありました。むつかしい中盤でも、次の一手はこれを指したら勝てる、と感じるらしいんです。プロの棋士は訓練をしているからです。そうです、直感は学習なんですよ」直感。
