池谷裕二さん。「酒でストレスを発散する習慣について、上山敬司先生らの研究を紹介したい。脳のストレスの目安として、ストレスホルモンではなく、zif268という遺伝子に着目している。ストレスがかかると、脳のzif268が動きだすのだ。ネズミにアルコールを飲ませた所、ストレスを受けても大脳皮質のzif268の活動は生じなかった。確かに、意識の上ではアルコールはストレスを軽減しているようだ。ところが驚く結果はこれからだ。なんと、『視床下部』のzif268はアルコールを飲んでいても通常通り活性化するのである。視床下部の活動は意識には上らないため自覚されないが、ここは、体のストレスを生みだす脳部位である。要するに、アルコールを飲むことは、ストレスを発散した気になっているだけであって、体は依然ストレスを感じ続けている」そうなのか。