中臣日記

理解と楽しみ  

9月はなんと、入社以来はじめて一ヶ月間まったく飲み会のない月であった。まあ、いまの仕事環境が飲み会と縁遠いこともあるのだが、以前に戯れに計算したときは週に2回の計算だったものが、こう何もないとなるとなんとも寂しい。基本的に自分からは酒を飲…

幸福な読書  

「精霊の守り人」など、守リ人シリーズで小学生を中心に人気のある児童文学者、上橋菜穂子さんの講演を聞きにいった。文化人類学者としても大学の助教授をしている方なのだが、講演の中で、図書室から借りてきた本を、紅茶とクッキーを部屋に持ち込んで、心…

間違いない! 

長井秀和という芸人さんがいて、はまっている。どこがいいかというと、どうも、「語り口」の面白さのような気がする。世の中には「語り口」で聴かせる、魅了するようなものが確かにある。読んでいて癖になる小説の文体もしかり、話がどうなるか知っていても…

30代にするべき  

30代にしておかなければならないこと、のようなハウツー本がある。個人的なことであるが、自覚はあまりないものの今日で30代が最後。人生のコンサルタントみたいなのがいれば相談をしたいところであるが、見あたらぬので自己診断をするに、どうも40代をこれ…

夏休み  

夏休み、恒例となっている沖縄に家族旅行をしてきた。子供達は人生の多くを沖縄で育っているので「帰省」のようなものである。本島北部にある山原(やんばる)に行き、備瀬のビーチというところで魚を見て、ター滝で泳ぎ、オニヤンマを捕まえた。観光客が増…

真っ向勝負  

大植英次のブルックナー8番を聴きに行った。大阪フィルを半世紀以上率いた名誉指揮者、故朝比奈隆の生誕の日に、朝比奈が最も愛したブルックナー、それも最も演奏回数の多かった8番を選んで大阪フィルとして初挑戦したものである。「大フィルの公演では常…

神様がこれをお酒に

團伊玖磨さんがこう書いている。「尊敬する詩人、堀口大學先生とシャトー・デュケムやトカイを美味しく飲んだ頃を思い出す。先生はお気に入りのワインをお飲みになる時、静かに、ゆっくりと短い詩を口ずさまれるのが常だった。『神様が/これをお酒にしなさ…

円卓会議参加 

大阪で行われた「コンテンツ産業振興円卓会議」というのに事例発表とパネリストということで参加した。事例発表でパワーポイントにビデオを埋め込んだものを準備したのだが、それがうまく作動してひと安心。パネルのほうはパネラーが10人以上居て、観客は…

ピカソ展  

ピカソ展を見に行ってきた。「日本初公開、幻のジャクリーヌ・コレクション」というやつである。1952年の夏、ピカソとジャクリーヌは出会う。その時ピカソ70歳、ジャクリーヌ26歳。ふたりは1955年から一緒に暮らし、1961年に正式に結婚して…

今日しかない  

「今日しかない」という名の店を見つけた。横断歩道でふと立ち止まると、看板に「今日しかない」と大書されていたので、神の啓示でもあったのかと思い再度見直してもやはりそれは「今日しかない」であったが、実はそれが焼き鳥屋の店名なのであった。久しぶ…

紙の効用 

電子手帳の類も好きで、これまでも何種類か試してはみたのだが、どうも紙のほうが性分に合っているように思われる。とはいえ、システム手帳も何種類も試しているがどれも長続きしないので、もともと性格的にオーガナイズドされてないのかもしれない。まあ、…

春を楽しむ心  

またぞろ4月がやってきた。個人的には、大学の入学式の時の、あるいは大学時代の桜の印象を超えるものがないまま、社会人として十何度目かの桜を迎えることになる。「日々更新」ではあるのだが、「年々更新」も必要であろう。この季節に気持ちを新たにして…

道具とスキル

大阪IT活用教育推進円卓会議でパネリストとして久しぶりに人前で話をした。最初の10分間のプレゼンテーションをパワーポイント無しでなんとかやったのだが、これまでパワーポイントの助けを借りてやってのに比べると、イメージをふくらませて貰うための「…

顔も商品(2) 

散髪に行った。洗髪をする洗面台が各椅子の前になく、移動式で後ろにある。設備代もかからず、思いつかなかった良いアイデアだと言うと、散髪屋さんにはまだ洗面台が付いてますね、という。つまりそこは散髪屋ではなく、美容室の類であったのだ。で、だいた…

神の一手  

大阪から東京出張の朝、4時間半睡眠の頭は冴えにさえているように思われ、ある画期的な概念が浮かんだ。これはもう、その時は天才的とも思えるすごいものの見方であった。新大阪の駅で、車内での暇つぶしに松下幸之助翁の一日一話というような文庫本を買っ…

痛みを忘れる秘訣

大学時代、注射を何度か打たないといけないことになり、それがひどく痛いものだった。そこで開発したのがこの秘訣。注射の前まで、一桁の足し算をしておく。3たす6は9。2たす5は7。で、いざ注射針が刺さった瞬間に、35足す56は、などと二桁に増やす…

尻馬に乗る 

もともとブームだの流行だのには乗らない主義だと公言してきたものだ。とはいえ以前から始めていたものにブームが追っかけてくると、一日の長があるものだから優位性が出てきて得意得意といったようなことがままあった。ビリヤードとか、ワインとかね。その…

ウチナーの映画

中江裕司監督の映画「ホテル・ハイビスカス」を観に行った。沖縄を舞台にした映画である。京都出身沖縄在住の中江監督には沖縄の飲み屋でお話を伺ったことや、制作をしたイエス・ビジョンズ社長で吉本興業チーフプロデューサーの竹中功さんとは結婚式で隣の…

カフェの基礎知識

待ち合わせまでの空き時間が15分あったので、カフェに飛び込んだ。カブチーノ一杯250円也。カフェ・ラテとカプチーノの違いがよく分からなかったので店員さんに聞くと、両方ともイタリア語で、カフェ・ラテはエスプレッソとスチームドミルクのミルクを…

情熱と好奇心 

機会があって酒造メーカーの方々と飲んだ。本当に焼酎が好きな面々で、注文した新しいものが来るたびに目を輝かせ、においをかぎ、味わって、楽しそうにああだこうだと語らいあって飲んでいた。話は酒蔵に及び、作り手の顔が見えるような焼酎が良いといって…

二つ目の同窓会

大学院の在阪組同窓会があって4人が集まった。高校は卒業20年だったが、こちらは卒業10年である。たわいのない話題で盛り上がり、久しぶりに飲んで笑った。同年齢で常務執行役員になって羽振りのよいのがいたりもするのだが、そこは人は人、我は我。それにし…

睡眠時間 

皆さんご存じの通り、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、1周期が90分だそうだ。夢を見ないノンレム睡眠が大事で、それは最初の周期の眠りが最も深く、だんだん浅くなっていくという。ナポレオンが3時間睡眠(+時間があれば短い昼寝)だったらしい…

第三の眼

民話などで、片方の眼を何かでふさいでいるのでどうしたのかと問うと、それをはずすとあまりに見えすぎるので、というような話がある。あるいは第三の眼があり、ふだんは隠しているが出すとものすごい能力を発揮する、など。本来の潜在能力はすごいのだが、…

カキと饅頭 

「地域デジタルアーカイブ全国大会」というので広島の宮島に行ってきた。宮島に行ったのは小学校以来であった。ネットで評判の良かった店で焼きカキを食した。うまし。小さな店で、ちょうどその日から店をあけたのだという。ちょっと奥まった店でもみじまん…

デフレ時代の楽しみ 

朝、去年の自治会のバザーで500円で手に入れたエスプレッソマシーンでカプチーノを入れ、フリーマーケットで入手のフリスビー(10円)とブーメラン(20円)で子供達と遊び、夕食後には今年の自治会のバザーでただで譲って貰ったエアホッケーゲームで家…

芸術の三割理論  

期待していた大植英次指揮大阪フィルのブラームスの二番だったが、残念ながら(第四楽章はともかくとして)個人的にはあまり良くなかった。管楽器がどうもしっくりこない。森毅さんが歌舞伎などの出し物は三割よければ良しとせよ、と言っていたがこれは至言…

ハピネス

六本木ヒルズの森美術館開館記念展「ハピネス:アートに観る幸福への鍵」を観てきた。通常は「ゴッホ展」など画家ごとやせいぜい「印象派展」など同じ傾向のものを集めた美術展に慣れた身にとって、今回の展覧会は刺激的で面白く、キュレーターの力量という…

急がば回れ

ミシュランのレストランガイドというのがあるが、あれはタイヤメーカーのミシュランの戦略で、パリから離れた郊外のレストランを意識的に取り上げて足を運んで貰う(そうするとタイヤがすり減る)という遠謀を秘めたものだったそうだ。関西では、私鉄連合が…

レコメンデーション

昔、時間のないエグゼクティブ向けのサービスとして、今お薦めのの本や音楽、映画などの情報や現物を会費を取って届けるということを考えた。かつての頒布会に近いものだろうし、今では例えばオールアバウトジャパンのようなレコメンデーションのポータルサ…

所有物のリストラ

「捨てる!技術」ではないが、思い切っていろいろな物を捨てている。想い出がらみ、過去の栄光がらみ、ビデオ、CD、本。一方で必要なものは気に入った物や興味のある本は投資としても買おうということをやっている。これは阪神星野監督が昨年、トレード、…