人生の意味の哲学

森岡正博さん。「最近、『人生の意味とは何か』を正面から考えようという動きが、世界の哲学界で起き始めている。この哲学ジャンルを『人生の意味の哲学』と呼ぶ。人生に意味があるかどうか、あるとしたらそれはいったい何なのかというのは、人間が生きてい…

ぎりぎり達成レベルを

シーナ・アイエンガーさん「アインシュタインはこう言った。『問題を解決する時間が一時間あったら、問題を考えるのに55分、解決策を考えるのに5分費やしたい』と。アインシュタインの名言をもう一つ。『最大限の努力でぎりぎり達成できるレベルを見極める…

マジックナンバー7

シーナ・アイエンガーさん「24種類のジャムを見た人のうち、実際にジャムを購入した人がたった3%だったのに対し、6種類のジャムを見た人の30%がジャムを購入した。この結果は私が、予測していたことの正反対だった。ジャムの研究が発表された2000年以降、…

創造性を刺激する空間

シーナ・アイエンガーさん「創造性を刺激する空間について、二つのことが言える。第一に、気が散るものがなく、1人でじっくり考えられる場所があること。第二に、コーヒーメーカーや冷水機の周り、休憩所など、人と気軽に出会える場所があること。それだけ…

物理的空間と創造性

シーナ・アイエンガーさん「これはグーグルのオフィスだ。世界中の多くの企業が従業員の創造性を高めようとして、このスタイルを模倣している。この方法に、創造性を高める効果はあるのだろうか? 残念ながらそれを裏づける証拠は何もない。グーグル創業者の…

情報の洗い出しと共有

シーナ・アイエンガーさん「ブレストとは要するに、部屋にいる人たちの直接の経験をもとに、アイデアを出すことだ。『情報の洗い出しと共有』でしかない。あなたも、『今すぐアイデアを出して!』と言われたら、既に知っていることをもとに考えるだろう。多…

2023年を振り返って

1月と11月に検査で入院をした。1月と7月、身内に出来事があった。3月の別府旅行、9月の河口湖旅行のあと、10月に念願のパリ旅行で一週間滞在することができた。美術館を巡って、ビストロで食事をし、ブーランジェリーでパンを買って、エッフェル塔と凱旋…

ブレストは効果がない

シーナ・アイエンガーさん「実際、ブレストは効果がないという、明確な証拠が挙がっている! 社会心理学者のミヒャエル・ディールとウォルガング・シュトレーペは、ブレストに関する1987年の画期的研究で、参加者を4人ずつのグループに分けてブレストをして…

ブレストは創造的か

シーナ・アイエンガーさん「ブレインストーミングの基本ルールには色々なバリエーションがあるが、ここではIDEOのルールを見てみよう。1.量を求めよう、2.ぶっ飛んだアイデアを歓迎しよう、3.判断は後回し、4.他人のアイデアに乗っかろう、5.テー…

ブレインストーミング

シーナ・アイエンガーさん「正式な発想法としてのブレーンストーミングが生まれたのは、1938年のことだ。大手広告代理店のBBDOは、大恐慌で多くのクライアントを失い、経営の立て直し役に副社長のアレックス・オズボーンを指名した。オズボーンは新規顧客獲…

追求者と満足者

堀田秀吾さん「心理学の世界には、意思決定の仕方によって、人を、物事を選ぶ前に、時間をかけて幅広い選択肢を検討することを好む『追求者』、判断の完璧さよりもスピードを重視し、最低限の基準を満たす選択肢の中から早急に選ぶことを好む『満足者』とい…

挨拶をするだけで

堀田秀吾さん「大切にすべき人との関係を深める方法としては、『挨拶をすること』が挙げられます。挨拶が人間関係に大きな影響を与えることは、実験でも証明されています。挨拶をすることで、人は相手に『私はあなたの敵ではありません』というメッセージを…

職場に3人以上の友人

堀田秀吾さん「アメリカで、500万人を対象に行われた、職場の人間関係に関する調査によると、『職場に3人以上の友人がいる人は、人生の満足度が96%上がり、かつ、たとえ実際に手にする金額が変わらなくても、自分の給料への満足度が2倍になる』『職場に最高…

信頼できる人と

堀田秀吾さん「では、あなたにとって本当に大切にするべき相手とはどのような人であり、理想的な人間関係とはどのようなものなのでしょうか。何よりも大事なのは、『ポジティブな人、信頼できる人と共に時間を過ごすこと』です。幸福度が人間関係によって左…

逃げ道を用意しない

堀田秀吾さん。「自分で選択をし、好きなことややりたいことに集中する際には、『うまくいくかどうかわからないけど』『自分なんかにできるかわからないけど』といった言葉を使わないようにしてください。日本には、わざとへりくだり、控えめでつつましい態…

役割性格

堀田秀吾さん。「人には、与えられた役割に合わせて演じようとする性質があります。これを『役割性格』といいます。役割性格に関しては、ジンバルドーが行った、通称『スタンフォード監獄実験』が非常に有名であり、その実験により、人がどれほど忠実に、与…

大脳新皮質は負荷に弱い

堀田秀吾さん。「一方、理性や論理的な思考などを司る大脳新皮質は、大脳辺縁系とは逆に、誘惑に対して思慮深く、ゆっくりと対処します。大脳新皮質がしっかり働けば、誘惑に打ち勝つことも不可能ではないのですが、大脳新皮質には、ストレスに非常に弱く、…

誘惑は大脳辺縁系

堀田秀吾さん。「世の中には誘惑が沢山あります。イフ・ゼン・プランニングを使えば、こうした誘惑に打ち勝ち、習慣化した『やるべきこと』に、より集中して取り組むことができます。私たちが何らかの誘惑に直面したとき、脳内では、大脳辺縁系と大脳新皮質…

イフ・ゼン・プランニング

堀田秀吾さん。「イフ・ゼン・プランニングは、1980年代に社会心理学の分野で提唱されたテクニックで、『いつ、何をするか』をあらかじめ具体的に決めておくというものです。人間の行動を変え、やるべきことを習慣化したり、よくない習慣をやめたりするうえ…

利他的な行動

堀田秀吾さん。「ラッドらが行った実験により、人は自分の為に何かするよりも、他人の為に良いことをし、それを達成できた時のほうが、幸せを感じやすいという結果がでています。なお、『他人の幸せのため』『世界のため』といった抽象的な目標よりも、『こ…

タスクを視覚化する

堀田秀吾さん。「ぜひ今抱えているタスクをいったん全部書き出して、4つの領域(第一領域:最初に取り組み、早めに完了させるべきタスク。重要度が高く、緊急度も高い、第二領域:重要度が高いにもかかわらず緊急でないタスク、第三領域:ほかの人に任せる…

抑うつ者のスキーマ

堀田秀吾さん。「そもそも、人はネガティビティ・バイアスを持っており、どうしてもネガティブなものに意識を向けてしまいがちです。そして、他人のネガティブな言動や心の状態に影響を受けやすく、無意識の内に真似をしてしまう傾向があるのです。特に落ち…

不機嫌は伝染する

堀田秀吾さん。「不安を遠ざけるためには、『自分は運がいい』と思い込むことも有効です。ワイズマンは、『運がいいと思い込むだけで、周囲の視線も好意的なものに変化し、生活に変化が現れる』と言っています。また、不安をはじめとするネガティブな感情を…

声に出しながら動作を

堀田秀吾さん。「やる気を出しパフォーマンスを上げるうえで、声を出すのも有効です。ラバヒらの実験により、声を出しながら動作を行うと、パフォーマンスがアップすることがわかっています。この実験では、被験者に『ジャンプ』と言わせてから垂直跳びをさ…

作業を始めたときに

堀田秀吾さん。「やる気は、実際に作業を始めたときに初めて生まれ、作業をしている間に深い集中状態に入っていくのです。人間のやる気を司っているのは、脳の中の淡蒼球という部位であり、やる気を出すためには淡蒼球を機能させる必要があります。そして、…

不安から意識をそらす

堀田秀吾さん。「ネガティブな感情を抱いた時は、その感情から意識をそらすことも大事です。ブッシュマンらが行った実験により、イライラがイライラを呼ぶこと、気に入らないこと、不快になるような事が起こると、人はより攻撃的になることが明らかになって…

負の感情を書き出す

堀田秀吾さん。「実験により、ネガティブな感情を書き出すと、一時的にはネガティブな感情が強まるものの、最終的にはポジティブな感情が生まれ、精神的に安定する事もわかっています。ちなみに、書き出す時に、『思う』『感じる』『わかる』などの洞察語を…

不安を書き出すことで

堀田秀吾さん。「まず、皆さんに実践して頂きたいのは、自分が何に不安を感じているかを考え、書き出してみることです。感情や考えを書くという行為には、それだけでネガティブな感情を軽減し、人を冷静にさせる作用があります。不安や怒り、悲しみなどのネ…

ほとんどの心配は

堀田秀吾さん。「多くの人は起きた問題自体に悩んでいるのではなく、まだ起きてもいない未来について考え続けているのです。そうした人には、『何かほかの出来事が起きない限り、悩み続ける』という特徴も見られました。これは、裏を返せば、『そうした人は…

マルチタスクには向かぬ脳

堀田秀吾さん。「そもそも人間の脳は、マルチタスクには向いていません。人間の脳が同時に推進できるタスクは2つが限界であると報告されています。オルフィールらによると、私たちが『2つのタスクを同時に行っている』とき、実際には、脳が猛スピードで複…